(┘゜∀゜)┘日本史わっしょい└(゜∀゜└)

日本史に関する解説を投稿していきます。

【あつ森】マイデザインで作る平安貴族の服~それぞれの歴史を添えて~(作品IDあり)

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どう森の醍醐味と言えばたくさんありますが、欠かせないのは自由度の高いファッション。

きぬよさんのお店でコアなアイテムも手に入りますがそれでも物足りないときは自分で作れるのもどう森のいいところです。

そんなわけでエイブルシスターズでは絶対に手に入らないであろう平安装束を作ってみたのでご紹介します。(十二単は取り扱いがあるみたいです。)

ちょっとした解説と一緒にご覧ください!

各解説のこの位置に赤字で作品IDもつけてあるので気になったら着てみてください。

狩衣

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狩衣は主に平安時代から着られるようになった貴族の服です。(上の画像は烏帽子の代わりにニット帽かぶってます。)

もともとは外で鷹狩りや蹴鞠をするときに着られたスポーツウェアのようなものです。袖を絞って腕を出せるので動きやすかったようです。

(袖の点線がひもで、引っ張ると袖口が巾着みたいにつぼまります。)

次第に動きやすさからの一般貴族の普段着になったようです。

平安以降の時代、武士の時代になると狩衣を着るのは公家に限定され、礼服として着られるようになりました。

明治以降になると洋服が正装となったため狩衣は礼服のポジションから外されましたが、神主や宮司などの神職の服として定められました。

作品ID MO-LBSM-9C40-75J4

公家と貴族の違い

公家=貴族という考えで間違えはありませんが、公家という言葉は武士が出現してから使われるようになった言葉です。

平氏や源氏など武士の一門も元をたどれば貴族になるため、戦いを生業とする武士と朝廷に仕えて生活する貴族を明確に分けるために、「武家」の対義語的に「公家」という表現を使うようになりました。

束帯

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束帯は平安時代の役人の朝服と呼ばれる仕事着です。最も正式な正装でもあり、スーツみたいなものだと考えるとわかりやすいです。

しかし、この形態になったのは院政期ごろと言われており、平安中期ごろまでは中国風の束帯が着られていたと考えています。

朝廷には大きく分けて二種類の役人がおり、それぞれ違った束帯を着用しました。

事務などを担当する文官と内裏の警護などを担当する武官です。

文官の束帯は縫腋の袍(ほうえきのほう)、武官の束帯は闕腋の袍(けってきのほう)といい、闕腋の袍の方が戦う武官用なので動きやすくなっています。

この束帯のつくりは非常に複雑なつくりで、位によって石帯というベルトの材質や袍の色、裾(きょ)という後ろに長く伸びた部分の長さまで細かく定められています。

ちなみに上のマイデザイン束帯は文官の縫腋の袍です。

(束帯には冠をかぶりますがないのでニット帽で。)

最近では2019年に行われた即位礼正殿の儀で皇族や宮内庁の役人が着用していました。

儀礼の最中に天皇に杓を渡した人が着ていたのが縫腋の袍で、儀礼開始の太鼓と鉦を叩いていた人が着ていたのが闕腋の袍です。

YouTubeなどに即位礼の動画があると思いますのでこれを知ったうえでもう一度ぜひご覧ください。

www.youtube.com

ちなみに、束帯は最上級の礼服なので堅苦しく着づらいものだったため、簡略化した衣冠という服も出来ました。

上着の袍はそのままで、下に着る襲(かさね)などを大幅にカットし、裾もなくしました。

また、穿くものは袴ではなく袴よりゆったりふわっとした指貫(さしぬき)というものを着用しました。

しかし簡略化しても礼服であるため袍の色は位によって決められたものに限られました。

作品ID MO-Q790-F27B-S9JT

直衣

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直衣は上級貴族の普段着です。形状は衣冠とほぼ同じですが、普段着なので好きな色を着ることができました。

また、勅許をもらい、冠をかぶれば直衣での参内(内裏に参ることで、出勤のような感じ)も出来たようです。

しかし、普段着で出勤できたのは三位以上のごく少数のトップの貴族のみだったようで、それ以外は束帯や衣冠の着用が求められたようです。

また、一説には直衣自体の着用に勅許が必要だったとも言われています。

作品ID MO-HVJQ-9XRN-BLYD

衣紋道と服

このような日本の伝統的な装束について着付けの方法を学ぶ学問を衣紋道といいます。(衣紋掛けの衣紋です。)

現在では神主や宮司など神職に就く方は身につけなければならない知識となっているようです。また、宮内庁には衣紋方という着付けを専門に行う役職もあります。

貴族にとっても誰にとっても服を着こなすことは何よりも大切なことで、今も昔も変わらないことのように思います。

どう森の中でも和服を着こなしてみてはいかがでしょうか?